【医業経営ニュース】vol.38 「医療情報・システム基盤整備体制充実加算の新設」
2023年4月より、オンライン資格確認等システムの導入が原則として義務付けられます。
(紙レセプトでの請求が認められている保険医療機関を除く。)
それに伴い、2022年9月末で現行の「電子的保健医療情報活用加算」が廃止され、2022年10月より新たに「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が新設されます。
■点数
「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」は、初診料の加算です。
施設基準を満たす医療機関において、初診時に通常の保険証を持参した場合は加算1の4点、マイナ保険証による資格確認や他保険医療機関から診療情報等の提供を受けた場合は加算2の2点を初診料に加算します。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算 | 点数 |
1 施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合 | 4点/月 |
2 1であって、オンライン資格確認等により情報を取得等した場合 | 2点/月 |
■施設基準
1. 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
2. オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
3. 次に掲げる事項について、当該保険医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。
ア オンライン資格確認を行う体制を有していること。
イ 当該保険医療機関を受診した患者に対し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行うこと。
■算定要件
上記の体制を有していることについて、掲示するとともに、必要に応じて患者に対して説明すること。
■医療情報化支援基金による補助の見直し
オンライン資格確認の導入が義務化することに伴い、補助内容の見直しが行われました。
病院では補助上限額が約2倍に、診療所では補助率が3/4から実費補助へと変更になっています。
また、①の期間にカードリーダーを申し込んだ施設において、2022年6月7日から2023年1月末までに運用開始した施設については、別途①と②の差額の補助が実施されます。(補助金交付済の施設を除く。)
区分 | 病院 | 診療所 | |||
顔認証付きカードリーダー 提供台数 |
3台まで無償提供 | 1台無償提供 | |||
カードリー ダーの申込 時期(①ま たは②)に 基づく、 その他費用(※)の 補助金額 |
① 2021年 4月~ 2022年 6月6日 |
1台導入の場合 | 2台導入の場合 | 3台導入の場合 | 上限32.1万円 (事業額 の 上限 42.9万円 ×3/4) |
上限105万 円 (事業額 の 上限 210.1万円 ×1/2) |
上限 100.1万円 (事業額 の 上限 200.2万円 ×1/2) |
上限 95.1万円 (事業額 の 上限 190 .3万円 ×1/2) |
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② 2022年 6月7日~ |
上限210.1万円 (事業額の 上限 420.2万円 ×1/2) |
上限 200.2万円 (事業額の 上限 400.4万円 ×1/2) |
上限 190.3万円 (事業額の 上限 380.6万円 ×1/2) |
事業額 42.9万 を 上限として 実費補助 |
※ その他費用…マイナンバーカードの読取・資格確認等のソフトウェア・機器の導入、ネットワーク環境の整備、レセプトコンピュータ、電子カルテシステム等の既存システムの改修等
なお、②の補助を受けるためには、2022年6月7日から12月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込むとともに、2023年2月末までにシステム事業者との契約を結ぶことが必要です。
(従前どおり、2023年3月末までに事業完了、同年6月末までに交付申請が必要です。)
カードリーダーの調達には時間がかかるため、上記補助を検討されている医療機関様は、早めに着手をされることをおすすめします。