【医業経営ニュース】vol.37 看護職員処遇改善評価料の新設
地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、収入を3%程度(月額平均12,000円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みの創設として、「看護職員処遇改善評価料」が2022年10月より新設されます。(※内容は2022年8月10日時点の情報です。)
■点数
看護職員処遇改善評価料は165の区分に分かれており、保険医療機関ごとに下記計算式に基づき、該当する区分を届け出ます。
※1 直近3か月の各月1日時点における看護職員数の平均の数値
※2 入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料を算定している患者の延べ人数
【A】 | 看護職員処遇改善評価料の区分 | 点数(1日につき) |
1.5未満 | 看護職員処遇改善評価料1 | 1点 |
1.5以上2.5未満 | 看護職員処遇改善評価料2 | 2点 |
2.5以上3.5未満 | 看護職員処遇改善評価料3 | 3点 |
3.5以上4.5未満 | 看護職員処遇改善評価料4 | 4点 |
4.5以上5.5未満 | 看護職員処遇改善評価料5 | 5点 |
5.5以上6.5未満 | 看護職員処遇改善評価料6 | 6点 |
↓ | ↓ | ↓ |
144.5以上147.5未満 | 看護職員処遇改善評価料145 | 145点 |
147.5以上155.0未満 | 看護職員処遇改善評価料146 | 150点 |
155.0以上165.0未満 | 看護職員処遇改善評価料147 | 160点 |
↓ | ↓ | ↓ |
335.0以上 | 看護職員処遇改善評価料165 | 340点 |
届出後も毎年3、6、9、12月に算出を行い、区分に変更がある場合は届出が必要となります。
ただし、前回届け出た時点と比較して、直近3か月の「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」及び【A】のいずれの変化も1割以内の場合は、区分の変更は不要です。
■対象者
【必須】
保健師、助産師、看護師、准看護師(非常勤職員を含む)(以下、「看護職員等」という) |
【任意】… 医療機関の実情に応じて追加可能
看護補助者、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、保育士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、公認心理師、その他医療サービスを患者に直接提供している職種(非常勤職員を含む) |
■施設基準
1. 次のいずれかに該当すること。
(イ) 救急医療管理加算の届出+救急搬送件数200件以上/年
(ロ) 救命救急センター、高度救命救急センター又は小児救命救急センターを設置
2. 1の(イ)の救急搬送件数は、賃金改善実施年度の前々年度1年間の実績とする。 ただし、現に看護職員処遇改善評価料を算定している保険医療機関について、当該実績が基準を満たさなくなった場合であっても、賃金改善実施年度の前年度のうち連続する6か月間において、救急搬送件数が100件以上である場合は、基準を満たすものとみなす。
3. 当該評価料を算定する場合は、当該保険医療機関に勤務する看護職員等に対して、当該評価料の算定額に相当する賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く)を含む)の改善を実施しなければならない。この場合において、賃金の改善は、基本給、手当、賞与等のうち対象とする賃金項目を特定したうえで行うとともに、特定した賃金項目以外の賃金項目(業績等に応じで変動するものを除く)の水準を低下させてはならないこと。
4. 3について、安定的な賃金改善を確保する観点から、当該評価料による賃金改善の合計額の2/3以上は、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げにより改善を図ること。
5. 看護職員処遇改善評価料の見込額、賃金改善の見込額、賃金改善実施期間、賃金改善を行う賃金改善項目及び方法等について記載した「賃金改善計画書」を毎年4月に作成し、毎年7月に地方厚生局長等に提出すること。
6. 毎年7月に、前年度における取組状況を評価するため「賃金改善実績報告書」を作成し、地方厚生局長等に報告すること。