【医業経営ニュース】 Vol.58「2024年度診療報酬改定 検討状況レポート 02 ─ 入院について(その1)─」
2024年度診療報酬改定に向けた議論がスタートし、中医協総会では7月5日(第548回)に『入院について(その1)』という議題にて各入院医療機能] [DPC] [入退院支援] 等が議論されました。
高齢社会が進み、いずれの入院料においても認知症患者や要介護認定者の割合が一定数を占めていることがデータにも表れています。(下図参照)
(上記 二図 引用元:中央社会保険医療協議会 総会(第548回)議事次第 入院について(その1)P20・P21)
また、急性期一般入院料1算定病棟の入院患者の主傷病の内訳に[誤嚥性肺炎] [うっ血性心不全] 等が挙げられており、急性期病棟においても高齢者の受け入れが行われている現状が見えます。
このようなことから急性期では、急性期病棟と在宅医療において急性増悪をした患者の受入れ機能をもつ[地域包括ケア病棟]としての役割・機能について、より機能分化を促進し、個々の患者の状態に応じた効率的かつ質の高い入院医療の提供の在り方について検討される見通しです。
回復期では、上記の事項に加え回復期リハビリテーション病棟における質の高いリハビリテーションを推進するための在り方を、慢性期では、療養病棟に係る医療法施行規則における看護師等の員数等について、経過措置の終了を踏まえ、長期にわたり療養が必要となる患者に対する適切な入院医療が検討される見通しです。
また、入退院支援については、[急性期一般入院料1] [専門病院入院基本料] [特定機能病院入院基本料]では8割以上が入退院支援加算の届出を行っている一方、[地域一般入院料] [療養病棟入院料]等では3割以上が入退院支援加算の届出がなく、かつ、入退院支援部門の設置もないということが指摘されました。
地域包括ケアシステムの推進の観点から、2024年度診療報酬改定において機能分化の促進と入退院支援の充実についてどのような評価が行われるか、今後も注視が必要です。