【医業経営ニュース】Vol.97「査定事例1:退院前訪問指導料」
本号より不定期でレセプトの査定事例をご紹介します。今後のレセプト請求や点検にお役立てください。今回は、退院前訪問指導料の査定について解説します。
■ 査定事例
≪患者情報≫
・令和6年5月診療分(入院)
・退院日:令和6年5月31日
請求内容 | 査定後 |
(13)退院前訪問指導料 580×1 (算定日)29日 |
― (査定事由:D) |
■解説
入院患者へ退院前訪問指導料を算定したところ、算定要件に合致していないとしてD査定された事例です。
退院前訪問指導料は、継続して1月を超えて入院すると見込まれる入院患者の円滑な退院のため、入院中(外泊時を含む)又は退院日に患家を訪問し、退院後の在宅での療養上必要と考えられる指導を行った場合に算定できる医学管理です。
本事例では、患者の外泊時に看護師が患家を訪問し指導を行ったため、退院前訪問指導料を算定しています。一見問題ないように見えますが、退院前訪問指導料の算定要件には以下の記載があります。
(2) 退院前訪問指導料は、指導の対象が患者又はその家族等であるかの如何を問わず、1回の入院につき1回を限度として、指導の実施日にかかわらず、退院日に算定する。(後略) |
改めて事例確認すると、退院日は5月31日ですが、退院前訪問指導料は訪問した5月29日に算定していました。つまり、本事例は、算定日を誤ったために算定要件に合致していないとして査定された事例です。実際に指導を行っているにも関わらず、算定日の誤りにより査定されるのは非常に惜しいです。再発防止のため、レセプトチェッカーのカスタマイズ等で機械的にチェックできる体制を構築することが望まれます。