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【医業経営ニュース】Vol.87「電子カルテ情報共有サービスについて②」

【参考資料も合わせて確認できる資料はこちらから】

前号にて、電子カルテ情報共有サービスの概要について解説しました。
今回は、電子カルテ情報共有サービスを進めるにあたり重要である「電子カルテ情報の標準化等」について解説します。

 

  • 電子カルテ情報の標準化等
    現在、電子カルテのベンダーごとにデータ形式や様式が異なるため、情報の相互運用が困難です。そのため、電子カルテ情報共有サービスの運用するにあたり、「電子カルテ情報の標準化」が必須となります。この電子カルテ情報を標準化するための規格として、医療情報交換のための国際標準規格であるHL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)を用いて実装します。

 

  • 病院への補助
    電子カルテ情報標準規格準拠対応事業として、病院を対象に電子カルテ情報共有サービスに接続することを前提に電子カルテ情報・文書をFHIRに基づいた形式に変換し、電子的に送受信するために必要な改修等にかかる費用について補助金が交付されることとなりました。

 

補助の対象
  1. 6情報及び各文書を、FHIRに基づき多形式に変換し、医療機関システムと電子カルテ情報共有サービス間で電子的に送受信する機能を、電子カルテシステム等に導入する際にかかる費用。(システム改修費用、システム適用作業等費用(SE費用、ネットワーク整備等)
    ※医療機関システム:電子カルテシステム、レセプトコンピュータ/医事会計システム、文書作成システム、地域連携システム、検査システム、健診システム等の総称
  2. 健康診断部門システムと電子カルテシステム連携費用

出典:医療機関等向け総合ポータルサイト 電子カルテ情報共有サービスの導入に係る補助金

 

  • 無床診療所向け「標準型電子カルテα版」
    2022年5月に自由民主党政務調査会により提言された「医療DX令和ビジョン2030」において、「全国医療情報プラットフォームの創設」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」の取組について、推進することが重要とされています。
    その中でも、電子カルテ情報の標準化とともに「標準型電子カルテ」についても提言されています。
    また、厚生労働省が発表した電子カルテの普及率を見ると、電子カルテの導入率は低く、中でも200床未満の一般病院、診療所での導入率は50%未満にとどまるため、電子カルテそのものの普及率を向上させる必要があります。

【参考資料:厚生労働省 第1回標準型電子カルテ検討ワーキング資料(電子カルテ未導入機関の現況把握)】

このようなことから「標準型電子カルテ」を開発、導入を進めるために、2025年3月から無床診療所向け「標準型電子カルテα版(試行版)」を一部の無床診療所で試行し、結果を踏まえて本格版の開発を進めていく予定となっています。

【参考資料:厚生労働省 第1回標準型電子カルテ検討ワーキング資料(医療DXの推進に関する工程表〔全体像〕】

「医療DX令和ビジョン2030」においても、遅くとも2030年に概ねすべての医療機関において電子カルテの導入を目指すと提言されています。このような電子カルテ導入においてかかる費用について現時点では補助金の情報はありませんが、今後発令される可能性があります。最新情報は、厚生労働省 電子カルテ情報共有サービス専用ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/denkarukyouyuu.html)等をご確認ください。
また、こちらの医業経営ニュースでもお知らせいたしますので、引き続きこちらの最新情報もご確認ください。

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